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ワンメディア明石ガクト氏がエンジニアにラブコール ──テクノロジーでメディア・コンテンツを変えていこう!

2018年11月にNewsPicks Bookから「動画2.0」を出版し、動画ビジネスを牽引するワンメディアの明石ガクト氏。5Gの商用サービスが本格的に始まる2020年、5Gのテクノロジーによってメディアやコンテンツはどのような進化を遂げるのか。HEART CATCH西村真里子氏をモデレーターにトークセッションを行った。後編は、テクノロジーによるメディアやコンテンツの今後の展望、ITエンジニアに期待することなどをテーマに語られた。

明石ガクト氏

挑戦する強いチームを作るには?

西村:ワンメディアではクリエイターネットワークを作るなど、社内外にチームを拡げています。明石さんが強いチームを作るために心がけていることは何でしょうか。

明石:社内・社外というキーワードがありますが、僕は社外の人とコワークするのはもはや当たり前だと思っています。ワンメディアが大事にしているバリューは3つ。
「Out Of The Box(既成概念からはみ出せ)」「No Border(越境し仲間となれ)」
「Evergreen(不朽の新しさを見つけよう)」です。

今は、一つのものをすごく極める時代になってきている。ゼネラリストより一芸の時代。僕らは動画制作という分野ではとがっているけど、動画コンテンツを発信する面を作っていくには連携しないとできないことがある。だからイベントをするなら、イベントに強い会社と、データを分析して配信するには、分析に強い会社と一緒に組む。

社内の人間が社外の他の分野のプロフェッショナルと仕事すると刺激を受ける。基準値が変わるというのが正しいかもしれません。そしてノーボーダーの中で調整をしながら、うちはうちのプロの仕事をする。他分野の一流の仕事を見ると、より社内のチームが強くなる。鎖国はしちゃ駄目ですよ。

明石ガクト氏

▲ワンメディア株式会社 代表取締役 明石ガクト氏
2014年6月、新しい動画表現を追求するべくワンメディアを創業。独自の動画論をベースにSNSやYouTube、OOHなどあらゆるデジタルスクリーンに対応する動画をプロデュース。2018年にNewsPicks Bookから自身初となる著書『動画2.0』を出版。その他、情報番組やバラエティ番組にもコメンテーターとして出演。前澤友作氏のYouTubeチャンネルプロデュースも行っている。

西村:外部の人と組む際に、心がけていることはありますか。

明石:ヒップホップの世界でいうフックアップですね。フックアップとはちょっと売れたり大物になった人が、まだ知られていないけど、何かいいものを持っていると人とコラボしたりプロデュースするときに使われるヒップホップ用語です。

動画のクリエーションの可能性が広がっている中で、ワンメディアだけでコンテンツのすべてを完結させることは難しくなってきています。そこで僕たちは可能性を秘めているのにその力を発揮しきれていないようなクリエイターやキャストをフックアップし、スポットライトを当てることでその人がその後生計を立てていけるような体制を作ろうとしています。

これまでの映像や動画業界がしてこなかったのは、面がテレビしかなかったからです。テレビは免許事業だから限られた事業者だけで、枠が埋まってしまいます。新たにフックアップして出す余地がないんですよ。

今はYouTubeやInstagramなら、枠は誰もが作れる。枠が無限に広がっている時代だから、僕らのやり方で動画を作れるようになってきたんです。

西村:ヒップホップのパッションを仕事に落とし込んでいるのは素敵だなと思いました。

西村 真里子氏

▲株式会社HEART CATCH代表・プロデューサー 西村 真里子氏

明石:若い人たちが活躍すると、社内では負けてられないという雰囲気になります。新しい才能をフックアップしたり、新しいテクノロジーをうまく使ってトライしたりするなど、新鮮な要素がないと会社は停滞してしまう。ワンメディアは常に新しい挑戦をして、成功させていきたいと思っています。

世の中を変えるために大事にしていることは何?

西村:明石さんは、世の中を変えようと思っているのでしょうか。

明石:ワンメディアは世の中(動画産業)を変えようと思っています。変えようと思わなければ、スタートアップなんて誰もやりません。今の世の中のルールをブレイクして新しいものを作るがスタートアップ。だから僕たちは動画産業で世の中を変えることしか考えていません。

西村:テクノロジーにもいろいろあります。どれが本当に生活者を変えるテクノロジーなのか。それを見分けるコツなどありますか。

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明石:愚問ですね(笑)。僕はずっと動画を作るのが好き。今は好きが競争優位性になる時代なんです。ちょっとした知識やノウハウは本になったり、noteに書かれたり、SNSで投稿されてシェアされますからね。

好きなことだと、自ずと「これからはこうなる」という情報が勝手に入ってきます。勝手に入ってこない分野では戦うべきじゃない。自分の好きなところに身を置いて調べていくと、この分野はこのテクノロジーで変わっていくかもしれないという情報を見つけられます。

例えば釣りが好きなら釣りの会社、ファッションが好きならファッションの会社というように、嗜好性に素直にならないといけない時代なんです。

西村:自分の「好き」をさらけ出すということですね。

明石:はい、自分のカルチャーをさらけ出しましょう。

【Q&A】会場から寄せられた質問を紹介

トークセッション後は、明石氏の発声による乾杯が行われ、会場からの質問タイムに入りました。

明石ガクト氏

Q.「音楽×動画」にはどのような変化が起きていて、今後どう変わっていくと思いますか?

明石:ミュージックビデオ(MV)が相対的に重要ではなくなりつつあるということですね。これはサブスクリプションとAirPodsの影響です。AirPodsが出てきたことで、MVを見ながら音楽を聴くことより、音楽だけで純粋に楽しむことができるようになりました。

西村:Instagramを始めるアーティストも増えています。それを観ながら曲を聴くことで、脳内で勝手にMVを作れるということもあるのかもしれませんね。

明石: Instagramのストーリーズ機能を使って、未発表音源をティザー的に発表するアーティストも増えています。そうやって音楽を聴くという行為は動画から離れていく傾向にあります。とはいえ、ちゃんと音楽にフィーが支払われる時代になりつつあるのは、メジャーの場合。アマチュアの場合は、バズる動画(MV)を作ることでチャンスが生まれます。

明石ガクト氏

西村:ワンメディアにも、インディーズのアーティストから相談が来るのでしょうか。

明石:ワンメディアは単発の動画ではなく、継続的な動画コンテンツの制作に舵を切っているので、そういうお取り組みができる会社と仕事をさせていただいています。

Q.5G元年の今年、テレビはどうなっていくのか?

明石:これもよく聞かれる話なんですが、テレビを見ている人はこれからも見続けるでしょう。ただ、今の子どもはめちゃくちゃYouTubeを見ています。

では、その子たちが10年、20年経ったときにテレビを見るようになるのか。また10年後、20年後にはネット上にはもっと面白いコンテンツが溢れているでしょう。そうすれば自ずと答えはわかると思います。

テレビはなくなりません。ただし、独占していた伝達手段としてのテレビの価値は相対的に下がっていくと思います。ビジネスモデルの根幹が揺らぐので、テレビ業界が今のような産業構造を維持できるかというと、10年後、20年後はわかりません。

明石ガクト氏

Q.どんなテクノロジーがあればいいと思いますか?

明石:自動運転は早く普及してほしい。自動運転が普及すれば、東京の土地の値段が下がるでしょうし、鎌倉や伊豆などに住んでも、2~3時間車の中で寝てれば、会社やアポイントメント先に着くことができるので都心に住む理由が薄くなる。自動運転、最高です。

西村:自動運転になったら、車内はエンタメ空間になる可能性がありますよね。

明石:昔は待ち合わせの時間は退屈だったけど、今はスマホがあるから退屈ではなくなりました。今までの何もできない不自由な時間が、テクノロジーによってエンタメに変わっています。

今はまだ車の中で映像などを見ると車酔いする人もいますが、それを解決するテクノロジーが出てくると思います。それが普及すれば、今度はいかに暇つぶしをするかというところにコンテンツが生まれるでしょうね。

Q.動画メディアのマネタイズは?

明石:マネタイズの方法は、いくらでもあります。世の中になんらかの価値提供をすれば、お金は入ってきます。「やってくれてありがとう」というサービスを増やしていくと、お金を出してくれるようになります。だから世の中の変化を読んで、感謝されるサービスを見つけることですね。

明石ガクト氏

Q.明石ガクト氏の信念が気になる。ガクト氏が異なっていることに対する周りの目線などが気になると思うが、それでも貫けるのはなぜですか。

明石:異なっていることが恐ろしいこととか、不快に思うことが前提になっている質問だと思いますが、僕は好きで異なっています。逆に言うと、同じになる努力をしているんですね。

僕は常に、みんなそれぞれ違う中で何が同じなのかを考えている。みんなが共感するものを見つけて、多くの人を巻き込んだものを作りたい。そうしないと世の中は変わりませんからね。

ワンメディアのステートメントは「まだ見ぬ世界をうつせ。」です。「うつせ」はダブルミーニングで、まだ見ぬ世界をクリエイティブでうつすという意味と、それを視聴者にも自分自身のスクリーンにうつしてもらえるようにするという意味を込めている。これが僕の思っているクリエイティブの信念です。

Q.フリーランスエンジニアは企業カルチャーをどう捉え、どう感じていくべきか。

明石:フリーランスの場合、一緒に仕事をする会社のミッションやカルチャーに共感して仕事を受けたほうが良いと思います。そのミッションやカルチャーがいつしか自分のカラーになっていくからです。共感するミッションやカルチャーを持つ企業に絞り一緒に仕事をするほうが、10年後その人の評価は変わるのではないでしょうか。

西村:ありがとうございます。明石さんにはたくさん興味深い話を聞かせていただきました。今後、ワンメディアがどのような動画コンテンツを生み出していくのか、楽しみにしています。

ワンメディア明石ガクト氏が語る──テクノロジーの進化がメディア・コンテンツを変える