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虎の巻!セキュリティ論 #02/ 働き方改革に貢献する ITソリューション~クライアント管理ツールが果たす役割と期待~

労働人口の減少、長時間労働、少子高齢化などの課題解決を背景に働き方改革の推進が加速している。業務効率の向上やワーク・ライフ・バランス、ワーク・ファミリー・バランスを考慮した労働環境の構築に、ITが貢献できる領域は決して少なくない。IT運用管理を得意とするクライアント管理ツールで取り組む、働き方改革への貢献と今後期待することについて考察する。

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基本的な考え方は情報セキュリティ対策と大差はない

情報セキュリティ対策と働き方改革、この2つが実現するべきことはまったく別ものであるが、実践する上においての考え方にそれほど大差はないと言えるだろう。

情報セキュリティ対策とは何をすることなのか、これについては本誌でもよく述べてきた。①情報セキュリティポリシーにのっとった「理想」の状態に対して、「現状」との差分を把握する。②なぜ差分が生じるのか原因を特定することで、理想に近づけるための対策が導き出される。③対策を実行・実装し効果測定をする。この①~③の考え方を繰り返し行っていくことが情報セキュリティ対策であり、働き方改革においても同様の考え方を適用することができる。理想の働き方と現状が乖離(かいり)している要因は何かを把握し、実効性のある対策を講じるという課題(問題)解決のアプローチ手法に基本的な違いはなく、情報セキュリティ対策や働き方改革を含むすべての経営課題に共通した考え方であると言える。

ここからは、具体的にIT(クライアント管理ツール)を利用した働き方改革とはどのように一歩を進めるべきなのかを考える。

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まずやるべきことは「現状把握」

働き方改革の推進に貢献するITソリューションとは何なのか?クラウドサービス、テレワーク、ビデオ会議システム……便利なツールは多々あるが、どれを利用するかを検討することが第一歩ではない。情報セキュリティ対策同様、最初に導入するツールを探す(検討)のではなく、求める理想に対して今どうなっているのかを把握することが第一歩である。現実的に考えると、各部門の業務特性や社員数、その社員自身と家族構成など、ツールでは把握できないことはあらかじめ押さえておくべきであることは言うまでもない。

各自がどのような業務をしているかの把握には、クライアント管理ツールは最適なものだと言える。ただ、PC操作における現状把握は可能だが、どのような業務をしたかの把握には至らない。どのアプリケーションを何時間稼働した、何個のファイル操作を実行した、メールを何件送信したなど、システムの稼働という観点での詳細は把握できるが、それがどのような業務なのかまでは表示しないため、効率化の対象となる業務内容であるかの判断はできない。

長時間労働問題の解決には、無駄な業務を排除することが求められる。本当に必要で意味のある会議なのか、会議をすることが目的と化していないか、その会議のための資料作成に長時間かかっていないか、報告のための報告書作成に多くの時間を割いていないか。このように、働き方改革の第一歩は身近な日常のなかに多々散在しているのではないだろうか。例えば、WordやExcelで作成した資料に「***会議資料」「***報告書(社内)」「***様向け提案書」など、ファイル名の付与に一定のルールを設けるなどすれば、どの業務にどのくらい時間を費やしているのかを集計し、把握することが可能になる。メールの送信も、社内・社外の比率等を算出することができるだろう。ひと手間かかるものの、現存するクライアント管理ツールの機能で業務を把握することは可能であると思われる。会議の集約や報告書、提案書のテンプレート化などの工夫による効率化の糸口が見つかるかもしれないし、意外な実態を目の当たりにするかもしれない。

筆者は過去に、PC稼働の約70%がスクリーンセーバー表示状態である社員が半数以上を占める企業に遭遇したことがある。離席中に何をしていたのかを把握することはできないため、離席するときに「外出(顧客訪問)」「社内会議(定例)」「来客」等の離席理由が選択できるような機能や、残業申請などのワークフロー機能の実装を期待する。クライアント管理ツールは、IT資産管理や情報セキュリティ対策ツールとして果たす役割が大きいが、今後はグループウェアとの連携または、それら機能の実装で労務管理の分野など、活躍(貢献)できる領域は広がっていく。今後の機能拡張に期待したい。

第3回/セキュリティ対策製品導入後にやるべきこと~製品の性能を発揮する運用体制の構築とは~

 

インフォフラッグ株式会社 代表取締役:神戸 仁

クライアント管理ツールメーカー勤務を経て、2008年にインフォフラッグ株式会社を設立。IT関連企業の新規ビジネス企画、マーケティング戦略策定等のコンサルティングを行う。また企画だけではなく実動部隊を育成する社員教育(新入社員から幹部教育)事業にも注力。その傍らで、長年従事しているITに関わる講演活動および執筆活動を精力的に行っている。