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女子大生プログラマ・羽柴彩月が開発する、勉強を楽しくするアプリ「Stuguin」の誕生と軌跡

勉強を楽しくするサポートアプリ「Stuguin」をリリースし、多数のメディアに天才女子高生として取り上げられた羽柴彩月さん。「最初にパソコン触れたのは保育園の時」だが、Life is Techのプログラミング・キャンプが彼女を鍛えた。

現在は、慶應義塾大学環境情報学部でテクノロジーと心理学を結びつけたモチベーションに関する研究をしながら、アプリ開発も行っている。これからのテクノロジーへの期待と共に、20代後半に向けての自身のキャリアを展望してもらった。

羽柴 彩月さん

Profile

慶應義塾大学環境情報学部 「Stuguin」開発者 羽柴 彩月(はしば・さつき)氏

1997年生まれ。高校1年生でiPhoneアプリ開発を始め、高校2年の冬に「勉強をもっと楽しくする」というコンセプトのモチベーション管理アプリ「Stuguin」をリリース。多数のメディアに天才女子高生として取り上げられる。その後、慶應義塾大学環境情報学部に進学。サイバーエージェント、クックパッド、Google、メルカリなどでインターンを重ねる。

最初にパソコン触れたのは、保育園の時のFlashのゲーム

現在は慶應大学環境情報学部、湘南藤沢キャンパスの4年生です。その前にIT企業の実際に触れてみたくて、この夏はサイバーエージェントやGoogleのインターンシップに参加しました。卒業前の最大の課題に卒論があるので、その準備にも追われています。 

大学ではテクノロジーと心理学を結びつけた、モチベーションに関する研究をしています。人によってどんなことにやる気が出るかが違いますね。他人と比べられたほうがやる気が出る人もいるし、一人で目標を立てて頑張る方が、結果が出る人もいる。 

ゲーミフィケーションのような仕組みがあると俄然モチベーションが上がる人もいる。つまり、モチベーション形成にはさまざまなアプローチがあると思うんですが、その中でどれが一番有効なのか、いろいろなデータを集めて検討しているところです。 

どうやったらモチベーションがアップするのかについては、高校生の時にリリースしたアプリ「Stuguin(スタグイン)」開発の動機でもありますね。卒論でも「Stuguin」にデータ収集の機能をつけて、そのデータを集めて分析しようと思っています。そういう意味では、「Stuguin」にはこの7年間、ずっと関わり続けています。

羽柴 彩月さん

コンピュータに最初に触れたのは、保育園の時くらい。2階の祖父の部屋にあるパソコンと、一階のリビングにあるパソコンがネットワークでつながっていて、祖父が送ってくれるFlashのゲームで遊んでいたのが、最初にパソコンを触った思い出です。 

とはいえ、祖父も両親もエンジニアというわけではないんです。たぶん祖父が株式投資をしていたので、それでパソコンが家にたくさんあったんだと思います。 

小学生になると、ニコニコ動画見たり、アメーバピグをみんなでやったり、いろんなWebサイトを見たりしていました。中学生になると、クラスメイトの間でホームページを作ることが流行っていて、自己紹介や日記を書いたりとか。それで私もやるようになります。 

いざ始めてみると、自分のページを他の人とは違ったカスタマイズをしたくなるじゃないですか。テンプレートを使うと、ページに広告が表示されるのが嫌で。それで、サイト制作ツールをで自作するようになりました。 

やっているうちに、ここの数字を変えると文字が赤くなる、といったことがだんだんわかってきて。つまりHTMLやCSSに触れるようになるんですが、当時はそれがプログラミングだとは思っていなかったですね。

Life is Tech!でプログラミングの醍醐味を実感

プログラミングを実際に意識するようになったのは、高校1年の時。学校で進路希望を出せと言われたのですが、当時の私は、自分がやりたいことがわからなくて困っていました。そんな時、父親が新聞記事で見たプログラミングスクール「Life is Tech!(ライフイズテック)」のことを教えてくれたんです。 

高校は理系コースで、学校の授業でもコンピュータは教えてくれました。ただ概論ばかりで、実用的なプログラミングを実際に書く授業はなかったんです。もともとプログラマはかっこいいと思っていたし、プログラミングを勉強するいい機会だと思ったので、Life is Tech!の一日無料体験会に参加しました。Life is Tech!の事業が始まって、2~3年経った頃だったと思います。 

意識してコードに触れるのは初めてでしたけど、とても楽しかったですね。体験会では、教科書のコードをコピペして、電卓アプリを作りました。それを発展させて、電卓に小数点の計算機能をつけたかったんですが、時間が足りなくて。「じゃ、夏にキャンプを開くからそこで一緒にやろう」と誘ってもらい、2013年の夏のキャンプに参加しました。 

プログラミングへの苦手意識は、最初から全然なかったですね。むしろ、もっとここをこうしたいとか、そのためにはどんなコードを書けばいいのかをずっと考えていたと思います。布団の中でプログラムを書いていたら、気づいたら朝だったなんてこともよくありました。もう夢中でしたね。

羽柴 彩月さん

高校時代は休みのたびにキャンプに参加していました。高校2年になり、自分でコードが書けるようになってからは、スクールのオンライン校(現在は未開校)に毎週参加してました。 

キャンプやスクールの最後に課題発表があるんですけど、最後に発表したいなと思っていました。最後の方で発表すると、周りのリアクションも変わったりして、自分が少しずつ成長している実感はありました。 

Life is Tech!では教えてくれるメンターも面白いし、楽しいアクティビティもあるので、プログラミングの最初のとっかかりとしてはとても良い経験になりました。 

私たちに教えてくれる大学生のメンターたちがみな魅力的でキラキラしているんですね。謎解きしたり、みんなで写真を撮ろうというイベントがあったり、参加しているだけでも楽しいんです。同世代の参加者とも友達になれる。田舎に住んでたので、東京に友達ができるのがうれしかったです。 

最初は「Life is Tech!」に参加すること自体が、楽しかっただけなのかもしれない。でも続けていたからこそ、プログラミングの魅力にハマっていきました。この「プログラミングが楽しい」という感覚はとても大事なことで、それが今も自分のモチベーションになっていると思います。

勉強サポートアプリ「Stuguin」開発のきっかけ

高校1年の時に、初めて買ってもらったスマートフォンがiPhoneでした。iPhoneが登場したのは、私が小学校4年の時。ピアノの鍵盤で作曲できるアプリがあるという話を聞いて、すごいテクノロジーが登場したんだなと思った記憶があります。 

普通の高校生がiPhoneでハマるのは、SNSやゲームが多いと思います。私もハマって、お母さんに怒られていました。それとは別にアプリを作るのも好きだった。だから自分のオリジナルアプリを作ることになった時は、「スマホを触っていると、勉強に集中できない。それを解決するアプリ」というコンセプトにしようと思いました。それが「Stuguin」開発のきっかけです。 

その頃は、Swiftはまだ出てなかったので、Objective-Cで書きました。Life is Tech!の初級の教科書はコピペすれば動くので、理解しなくても動くものは作れるんです。なので最初はコードとか全然理解してなかったんですけど、動くから楽しいと思って続けていました。そのうちに、「ここがこういう意味なんだ」と全体像がつかめるようになりました。

羽柴 彩月さん

そして高校在学中に、「Stuguin」アプリでコンテストに応募。2014年の「アプリ甲子園」で5位、「スマホ未来コンテスト」で佳作、2015年には「TECH LAUNCH AUDITION」共同開発賞と立て続けに賞をいただきました。「アプリ甲子園」には出場できるだけでもいいと思っていたので、受賞できたのは意外でした。 

メディアから取材を受けたりするようにもなりましたが、祖母には「パソコンばかりしていないで、ちゃんと勉強してね」なんて言われました。私の中では、プログラミングは将来もやりたいことなんで、アプリコンテストへの応募も勉強のうちと思っていたんですが、祖母の中では一致していなかったんでしょうね。でも、なんだかんだいいながら、家族はみな応援してくれていました(笑)。 

iPhoneアプリはMacじゃないと作れないので、一か八かお願いしてみたんです。そしたら、Macbook Airを買ってもらえたし、しかもこれ買ったからちゃんと勉強しなさいとも言われなかった。父も母もプログラミングは将来何らかの役に立つもので、決して遊びではないと理解してくれていた。それがありがたかったですね。

#02 なぜ、そのコードが動くのかー女子大生プログラマ・羽柴彩月がインターン武者修行で学んだこと